人並みに映画が好きだったりします。
波がありますが、映画熱が高いときは月に6~7本位は観たりします。ただ自宅鑑賞が多いので、レンタルが大半。
つまり私の映画レビューはレンタルの新作〜準新作あたりのタイミングの作品が多くなることでしょう。
ここ最近も昨年のアカデミー賞候補を含めたいくつかの作品を鑑賞しました。
その中でも最も愛すべき作品だったのが、男のロマンが詰まった「フォード VS フェラーリ」でした。
まだ未鑑賞の方にもなるべく配慮しながら「見どころ」の一部をお伝えできればと思います。
見どころ1 迫力とセンス溢れる映像美
まずは何と言っても「カーレース映画」。その迫力や臨場感に手を抜くはずが有りません。
私は全くモータースポーツファンではありませんが、様々なカメラアングルの映像から、その極限のスピードやテクニック、そしてレーサーの心情が、リアルに伝わってきて、つい手に汗握ってしまいます。
そして、あの頃のカーデザインが「カッコカワイイ」んですよね、何だか。
セクシーな曲線、シンプルな色使いとデザイン。今のレーシングカーの様なスポンサーロゴ満載のゴテゴテ感もなく、車だけ見ててもうっとりしてしまいます。
見どころ2 才能を認めあっているもの同士の絆
互いに一目置いている一流同士の「言葉を越えた絆」って憧れますよね。
この作品では二人のおじさんが出てきます。
一人は米国人として唯一ル・マン24時間レースで優勝経験がある英雄だが病気でやむなく引退を余儀なくされたキャロル、もう一人はレーサーとしても技術者としても超一流のセンスを持っていながら、その抜き身すぎる性格のためスポンサーも付かず、工場仕事をしながら細々とレースに出ていたケン。
大企業同士のプライドをかけた戦場の中で、彼らはタッグを組み持てる経験や機転をフル稼働して、どんどん彼ら自身の夢に近づいていきます。
途中行き違いもありますが、心の奥底では相手を理解し、信頼して身を委ね、全てを掛けて互いの仕事を成し遂げいく。そんな姿に惚れ惚れしてしまいます。
おじさん同士の殴り合いの喧嘩シーンも微笑ましくて見ものです。
見どころ3 自らの信念を貫く反骨スピリッツ
このストーリーは実話がベース。ドラマチックな歴史の追体験ができるのも魅力ですが、今にも通じる「組織との対立」にも注目です。
二人の主人公の挑戦の道程には数々の困難が立ちはだかりますが、特に自陣であるフォード上層部のインテリとの価値観の違いや個人的感情による横槍がその多くを占めます。
タイトルで引き合いに出させていただいた「半沢〜」とは構図も動機も異なりますが、圧倒的な力を背景とした体制側の謀略に対し、強い信念と持てる能力を最大限駆使して一矢報いていく姿は、血が湧き上がるようなカタルシスがあり、観るものに勇気を与えてくれます。
あとがき
個人的には今年観た中では間違いなく1番の映画です(映画館で観たかった)。
153分と一般的な映画よりやや長尺ですが、長さを感じさせない「見どころ」の詰まった作品。
鑑賞後、じんわり残る寂しさの余韻が、この作品の世界観を愛おしくさせ、再び見返したくなります。そして改めて観るたびにキャラクターの心情の理解が深まり作品への愛情が一層増していくのを感じます。
あと私はおっさんの友情もの好きなんですよね〜、なぜか。
映画は人によって好みが分かれるので無責任にお勧めはしないですが、クオリティの高さだけは太鼓判を押させていただきます。
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