派手にお金を使った記憶がないのに、気づいたら今月もお小遣いが残っていないって経験ありませんか。私もよ〜くあります。
今回は、知っておくだけで「無意識の散財」にブレーキをかけるきっかけになる「行動経済学」に関する事例をいくつか紹介します。
そもそも「行動経済学」って?
2002年にノーベル経済学賞を受賞した2人の心理学者が提唱した理論をベースにした学問です。
これまでの経済学って「人は何でも合理的に判断する」と言う前提で考えられてきたけど、実際には「説明がつかない非合理的な判断」が多くあるよね。それって「心理的要因」つまり感情に動かされて判断してしまってるようなことが割と沢山あるんじゃないかな?
と言うことを明らかにして…みたいな感じです(本当はもっと難しい理論だと思います)。
それでは具体的な事例を紹介しましょう。
事例1 おとり効果
これはわかりやすく言うと定食屋のメニューでよくある松竹梅。梅は800円、竹は1,000円、松は1,200円で少しづつ品数が増えていきます。
「梅」だと何だか物足りないし「松」だと贅沢かな…と、つい真ん中の「竹」を選んでしまったことありませんか。
店側はあえて「松」(あるいは「梅」)という“おとり”を用意することで、「竹」が多く売れるように消費者を誘導しているということになります。
他にも、商品にあえてサイズなどバリエーションをもたせて、売れてる感を演出しつつ、「買うか買わないか」ではなく、「どれを買うか」悩むようにしむけるのも、「おとり効果」の例となります。
対策としては、安易に相手の術中に入って選ばされるのではなく、「本当に必要なものは何か」を考えてその価値を冷静に見極めることが大切になってきます。
事例2 フレーミング効果
同じ情報なのに「表現」が変わると「印象」が変わって騙されてしまうっていうことがあると思います。
例えば、先の消費増税前の販売トーク。
「消費税が2%アップします。増税前に購入した方がお得!」と、
「消費税が10%にアップします。増税前に購入した方がお得!」では、内容は同じことを言っているのに、後者の方が魅力的に聞こえます。
これは元々消費者に「2%あがる」と言う思い込み(フレーム=枠)が頭にあって、想定していない言い方をされることで錯覚が生じている形と言えます。
対策としては、企業の宣伝文句は本来の価値よりも魅力的に感じるように巧みに考え抜かれたものと考えて、少し引き算するくらいが丁度いいかもしれません。
事例3 現状維持バイアス
より経済的な選択肢が他にあることが分かったとしても、乗り換えることによる不安やストレスを回避したいがために、惰性でずるずる不経済を続けてしまう行動心理です。
例えば「有料放送の加入」などで、○ヵ月無料などといって加入したものの、あまり観なくなっても退会するのが面倒くさいのでそのまま放置してしまう。
最近はスマホアプリなどでもサブスクリプション的なサービスが増えてるので、当てはまるものは少なくないのではないでしょうか。
もちろん日用品や行きつけのお店など、継続購入・利用しているものも該当します。
対策としては、気持ちの余裕がある時に自分が加入しているサービスを見直して断捨離を試みる。いつも慣習的に購入・利用しているもの以外に「よりコスパの良いもの」を探索して試してみるといったことをやってみるのはいかがでしょうか。
まとめ
人間ってこう言う(ちょっとおバカな)習性があるんだなって言うことを知っておくのと知らないのとでも差があると思いませんか。
今日紹介したのはあくまで一例ですが、このような人の購買心理を理解する事で、自分の支出管理ができるだけでなく、例えばセールスに携わるお仕事で売上を上げるためのヒントを得ることができます。
相手の裏をかいているようでいい気分ではないかもしれませんが、(詐欺ではなく)ちゃんと対価に見合った価値を提供していて、相手も満足してくれるのであれば、正当なマーケティングとして活用していいんじゃないかなと思います。
今回は3事例しか紹介できませんでしたが、他にも興味深い事例が沢山あるので興味を持たれた方は、是非「行動経済学」に関する本を読んでみてください。
コメント