「夢をかなえるゾウ4~ガネーシャと死神~」水野敬也

雑記_読書感想文

年末年始に読もうと思い立ったのがこちらの本。自己啓発本としてメジャー級でドラマやアニメ、舞台、ゲームにもなっていたとは知らず、初めて1作目を読んだのが昨年。
昨年は身近な人が大病を患うなど、死と生を考える瞬間が増えてきて、もし今自分も余命宣告を受けたら絶対後悔するだろうなと思い手に取りました。

ビフォー

一念発起して始めたこのブログもずっとほっぽらかして丸1年以上がたってしまいました。他にも苦労して取得した資格をどう役立たせるかのイメージもなく、仕事では役職アップどころか後輩にもプレッシャーをかけられるような不甲斐ない有様。昨年もあれやこれやと目移りし、中途半端に知識を入れては気が変わったりで前に進めず、ただただ焦燥感に追われて終わっていった感じでした。

本の内容

本シリーズの他作品同様に、ガネーシャという関西弁を話す象の顔をした偉い神様が、夢や願望を実現できないでいる主人公の元に表れて面白おかしく、時に真面目に実現に向けてのアドバイスをするお話。
本作ではタイトルからも想起できるように、生と死にまつわるお話。余命宣告を受けた主人公が、残していく妻と娘との突然の別れに打ちひしがれ、それでも自身が亡き後に幸せに暮らしせるだけのお金を残したいと懇願、ガネーシャと死神が彼の望みを導くための助言をしていきます。

それだけなら過去と同じ自己啓発よりですが、今回は扱うテーマが大きい分、前半と後半ではテーマが反転したり、読み物としてもドラマチックで手が止まらず、思わず目に涙が浮かぶシーンも多々あり、読後、しばらくその世界の余韻に浸れる素敵な作品でした。

私の気づき

様々な助言がある中でも、特に響いたのは4つのことでした。

「世の中には、二種類の人間がおんねん。それは、『追い詰められて弱なるやつ』と『追い詰められて強なるやつ』や」

水野敬也. 夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神 (Japanese Edition) (p.77). Kindle 版.

1つ目は、主人公がお金を残すためにガネーシャに唆されて、競馬に大金を注ぎ込んで大負けするシーンでのガネーシャの言葉。
ここでいう『追い詰められて弱くなる人間』は、大失敗した現実を見つめられずにまだ甘い期待にしがみつき一発逆転を狙ってお金を失い、さらに追い詰められる。『追い詰められて強くなる人間』は現実に起こったその原因と結果に対して甘さを捨ててちゃんと自分を責められる、ということで主人公同様に自分も耳を塞ぎたい気持ちになりました。

今まで失敗しても誰かが守ってくれる…とか、運が悪かっただけ…とか、いかに当事者意識で失敗を正しく受け止めずに、甘さと逃避でやり過ごしてきたかに気づかれました。自分の価値観もゆらゆらして自信が持てないでいたり、他人に対する的確なアドバイスできないのはそのためなんだなと。

「確かに、みんながみんなゲイツくんみたいな情熱持って仕事はでけへんかもしれん。趣味が第一で仕事は生活の手段や思てる人もおるやろし、それはそれで全然かまへん。ただ、『一部の人だけ』て決めつける必要はないんちゃうか?もしかしたら、単に出会うてへんだけかも分からんし、人生は常に変化していくもんやから、このタイミングやからこそ情熱燃やせる仕事が見つかるかもしれへんで」

水野敬也. 夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神 (Japanese Edition) (p.89). Kindle 版.

2つ目は、ガネーシャと愛娘と人生ゲームをし、現実とは違うハイリスクハイリターンとされる職業を選ぼうとしている主人公に対し、職種ではなく人が買ってくれる価値を生み出せたかどうかが大切で、それを実現するのは能力じゃなく情熱だと諭されるシーン。

様々な点が気づきになっているシーンではありますが、私の場合、過去にいろんなものに手を出して期待した反響が出ずにほっぽり出してしまった事がいかに多かったことかと改めて気づかされました。私より後でSNSを始め、写真の腕も普通だった妻が地道に投稿し続け、今ではフォロワー数や写真のレベルが手の届かないはるか先に行ってしまいました。他にも自分が仕事と仕事外の関心ごとに対しどっち付かずで行動ができていないうちにまだまだ若手だと思っていた後輩が積極的に仕事をこなし周囲からの尊敬を集める存在になっていたりと、無心に何かに注力できずにいるうちにどんどん追い越されてしまった苦い経験に繋がったのだと思います。

「判断に迷うちゅうことは、自分の本心と、周囲からの期待が合うてへん場合がほとんどやねん。そんで、自分がこれまで周囲の人の気持ち大切にしてきたんなら、違う方を選択する勇気も持たなあかん。その両方を経験して初めて、自分にとってほんまに大事なもんが何か分かるんやからな」

水野敬也. 夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神 (Japanese Edition) (p.354). Kindle 版.

3つ目は、主人公が家族のために始めたブログが自らのやりがいに変わった頃、家族旅行と編集者とのの急な打ち合わせのどちらかを選ばなければならない時に受けた助言。

これについては直接的にはいまの自分とリンクしている状況ではないものの、最近なにかを判断する時に自身のなさから自分の本心を殺して、意に反することでも周囲に応えることを優先してきたことを思い返しました。言い方を変えるとおべんちゃらの太鼓持ち。勇気を持って自分の感じたことを話す、意思を示して、判断する。勿論そればかりではいかない場合もあるのでその両方を選べることを自分に覚えさせなければ、誰からも声を聞き届けられないし、自分も大切なことに気づくことができない、そう思いました。

「『頑張りすぎても意味がない』て言う人おるやろ?でも、それは実際に頑張ってみて、これ以上やってもプラスにならへんちゅうラインを知ったとき初めて言える言葉や。ほとんどの人は、『頑張りすぎても意味がない』ちゅう言葉を、頑張らへんことの言い訳にしてまう。せやから、自分の内に秘めとる能力を最大限引き出せてへんのやな」

水野敬也. 夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神 (Japanese Edition) (p.198). Kindle 版.

4つ目は、主人公が自身の仕事の傍、残す家族のために始めたブログの執筆のペースが遅れてきている際にガネーシャが言った「限界を感じた時、もうひと踏ん張りする」の言葉の意味についての説明。

自分でやると決めたことを継続できていないのは、まさにこれに尽きると気づかされました。
明日の仕事のために早く寝る、それも勿論大事。でも自分の生活を見直して労力や時間を無駄にしていないかと問われると全くできていないのが実情でした。

TO DO

本著では「時間は自分の人生そのもの」という言葉もありましたが
今自分が余命宣告を受けたらという気持ちになって、一秒たりとも時間を無駄にせず
下の項目を実行して行きたいと思います。

・自分をたてた夢や目標に近づくための行動にできる限りの時間を費やす。
・インプットや迷い続けることに時間を使いすぎない。現実を変えられる行動に重点を置く。
・行動で得たフィドーバックと判断軸をもとに人に喜ぶ価値を自分の頭で考える。

ブログもさらに良いものにして、価値を生み出して行きたいと思います。
今年もよろしくお願いします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました